2010,05,13, Thursday 09:29 PM
昔話の世界

わたしが通った小学校では、給食の時間に、毎回、歌か昔話のレコードがかかっていました。
今でもおぼえているのは「ぶんぶくちゃがま」の話です。歌にしても、昔話にしても、聞こえてくる
音声だけで、映像はありませんでした。が、給食を食べながら、茶釜になったたぬきの姿を
勝手気ままに想像していたのかもしれません。

今は、テレビアニメやビデオなど、カラフルな映像つきの昔話を聞くこともできますが、わたしが
幼いころは、家族など身近な大人に語ってもらうことがほとんどだったように思います。

わたしの通った保育園には、なぜか絵本というものがまったくなかった(という記憶なのですが)、
そのかわり紙芝居がたくさんありました。紙芝居は、子どもが自分で読むということはなく(文字を
教わってもいませんでしたし)先生に読んでもらうものでした。

ようやく、小学校に入学して、文字が読めるようになると、こんどは教科書を読まなければ
なりません。
それは「正解」を求めるための勉強であり、ときには道徳教育であり、純粋に物語の世界を
楽しむということがなくなって…。
新緑+八重桜+つつじストーリーテリングをされている先生に、数教研の指導者の勉強会で昔話を語ってもらった
ことがありました。絵はもちろん、語り手の動作や、小道具は一切ありません。
もちろん、ちゃんと理解できたかどうかなんてテストもありません。
その先生は語る前に「あとで感想を聞いたりはしませんから、自由に気楽に聞いてくださいね」と。
感想文を書くために読まされる本というのは楽しくないですからね。

何か他の目的のためではなく、物語の世界を楽しむ、そのためだけに。
ことばを手がかりに、ことばだけを手がかりに、自分の中でイメージしてみる。

この春、数教研の読み方教材に新たに「かさこじぞう」が加わりました。
昨年の合同研究会では、作者の岩崎京子先生にお越しいただき、数教研の指導者を前にお話を
していただきました。
その岩崎先生のお話を聞く、数教研の先生たちの本当にうれしそうな楽しそうな顔。
こんなふうに、子どもたちにも、この「かさこじぞう」を楽しんでもらいたい。
今回の設問は、内容理解のテストや、道徳的価値観の確認ではありません。
ことばから、その世界を具体的にイメージしてみる。
そのイメージを図で確認したり、絵をかいてみたりする設問を用意しました。
すでに教科書や絵本で、この話を読んだことのある子どもは、「もう、そのお話なら知っているよ」
と言うかもしれません。しかし、これはそのストーリーを知っているかどうかをテストするものでは
ありません。
今まで、ぼんやり、なんとなく聞いていたこのお話を、今度はもう少し具体的にイメージしてみる。
ことばを手がかりに、子どもなりにイメージしてみる。
そんな機会になればと願っています。

今回の写真は、ぶんぶく茶釜の伝説が残る街の風景。
たぬきとお花がいっぱいの街、館林でした。
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