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春の新着情報

 3月に行われた、数教研の指導者向け合同研究会(全国の指導者が集まっての研究会)では、
3日目に、「遠山啓生誕100年によせて」と、岩崎京子先生による「かさこじぞう」の講演会を
行いました。



ねこお知らせ1

 その遠山啓生誕100年記念として、この春から順次、『遠山啓エッセンス』7巻(日本評論社)が
発売されるとのこと。今月は、その第一弾『数学教育の改革』で、来月には『水道方式』が発売の
予定。数教研顧問の銀林浩先生も、編者の一人として名前を出されています。

 

 

ねこお知らせ2

 少し前のブログでもご紹介した、岩崎京子さんの『花咲か』の新装版が、先週、発売になりました。
 桜の季節は終わりですが、菊の話なども出てきます。この先の秋→来春をめざして、読んでみて
はいかがでしょう。

 



ねこお知らせ3

 毎週水曜日に開催している鈴木康之言語学研究室は、年に一度、その研究活動を『研究会報告』
という冊子にまとめています。その第28号(数教研に事務局が移る前、大学の鈴木研究室に
事務局があったころから続いています)が、3月にできました。

 この冊子は、数教研事務局か、国立国会図書館でご覧いただくことができますが、
 目次を、『研究会報告』第28号(鈴木康之言語学研究室ホームページ)にも掲載いたしました
ので、ご興味のある方は、数教研事務局までお問い合わせください。
 
  

 

 こういった研究成果をもとに、数教研の教材開発と指導研究はおこなわれています。

  
 
 (香取神社の八重桜まつり)

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春の風物詩

 先日の芝桜の近くには、田んぼが広がっていたのですが、あちこちの田んぼがレンゲ畑になって
いました。
 
 

 「江戸後期から緑肥にするため水田に栽培され、田植え前の花盛りのころに土にすき込む」のだ
そうで、この日も、田おこしをしている人を何人も見かけました。

 ところで、このレンゲを漢字で書くと「蓮華」となって、「蓮(はす)」の「華」です。本来は、
蓮(はす)の花のことを、レンゲ(蓮華)というのであって、この写真にある花は「ゲンゲ」というそう
なのですが。そのゲンゲを「レンゲ」というのは、これが蓮の花に似ているからだとか。
(「げんげ」と聞くと、わたしは魚を思い出しますが)

 もう一つ、この蓮の花弁に似ているものに、中華料理などを食べるときにつかうもの。
わたしたちは、これも「レンゲ」とよんでいますよね。
 ある中華やさんで食事をしていたとき、お客さんが店員さんに「つみれをください。」と言って、
店員さんが???となったことがありました。
 たぶん、何か他のものと同じ名前だったなぁという記憶と、丸いものというイメージ、そして同じ
3文字で、「つみれ」という単語が出たのだと思います。店員さんが「レンゲですね」と確認して
いましたが、「つみれ」と言いたくなる気持ち、よ~くわかります。


 数教研の1F教材に、つぎのような問題があります。

 ① ころんで(  )にけがをした。
   クラスでも(  )が速い。
 ② 学校の池で(  )を見た。
   (  )でおみそしるをすくう。  …以下続く

 ( )には同じ単語が入ります。選択肢があるので、その中から選べばよいわけですが、②の
答えが「おたまじゃくし」というのに、びっくりする子どもが少なくありません。
 たしかに、「(おたまじゃくし)でおみそしるをすくう。」を想像すると、ちょっとびっくりですね。
ふだんは、つかうとしても「おたま」と略すことが多く、それが「おたまじゃくし」の略だと知らずに
つかっている人も多いのでは(という私も、実は…)

 これは、カエルの「おたまじゃくし」を先にイメージするからびっくりするのであって、どちらが先か
といえば、汁をすくう道具の方の「おたまじゃくし」が先にあったようです。滋賀県の多賀大社に
あるしゃもじの「御多賀杓子(おたがじゃくし)」に基づく語だとか。

 でも、しゃもじの「おたま」よりも、子どもたちにはカエルの「おたまじゃくし」の方がなじみ深く、
「おたまじゃくし」と聞けば、カエルの子をイメージするのもしょうがないかもしれませんね。

 レンゲに、おたまじゃくし。
春の田んぼをイメージするのか、それとも食卓の風景か…
あなたは、どっち?

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0K漢字発表

 先週の指導者向け国語学習会は、前半が顧問の鈴木先生の講義で、後半が漢字教材発表会
でした。これまでに数教研では、1K(3年生用)~4K(6年生用)の漢字教材を用意していましたが、
現在、1・2年生用の漢字教材として、0K教材を順次、作成しています。
  
   
 
 漢字は、以下の4つのタイプにわけることができます。
  1)象形文字(日・山・月など)
  2)指事文字(一・上・中など)
  3)会意文字(森・岩・男など)
  4)形声文字(銅・材・悲など)

 0K教材では、1・2年生の漢字を、学年でわけるのではなく、上記の4つに沿って、配列しなおし
ていて、すでに上の1)2)3)は教材化しています。

 

 今回は、4)の形声文字についての教材となります。
形声文字は、意味をあらわす部分と、音をあらわす部分が合体したものですが、この意味を
あらわす部分が「部首」とかかわってきます。

 部首は、つぎの7つにわけることができます。
  1)へん  (にんべん・さんずい・きへん など)
  2)つくり (りっとう・おおざと・さんづくり など)
  3)かんむり (くさかんむり・たけかんむり・あめかんむり など)
  4)あし  (ひとあし・れっか・ひとあし など)
  5)たれ  (がんだれ・まだれ・やまいだれ など)
  6)にょう (しんにょう・えんにょう そうにょう など)
  7)かまえ (くにがまえ・もんがまえ・はこがまえ など)

  

 今回の教材は、まず、1)のへんについての学習となります。
「さんずい」がある漢字には、水に関係しているものが多いなぁとか、
「きへん」がある漢字には、木に関係しているものが多いなぁとか
どうして、この漢字には、この「へん」がついているんだろうと考えてみると、ただ、やみくもに、
かたちを書いて覚えるというのとは違った興味がもてるかもしれません。

   

 このように、今回の0K漢字では、部首には、ある一定の意味があるということを確認しながらの
学習となりますが、しかし、部首は絶対ではないんですね。長い歴史の中で、漢字が簡略化
されていったり、意味とは関係なく同じ音ということで代用されたり、どうして、この部首なの?と
いう疑問が出てくる漢字もあったりします。同じ漢字であっても、漢和辞典によって、部首の扱いが
違う場合もあるようです。

 0K漢字の部首学習は、部首というものの大きな原則を確認し、漢字をグループ分けする上での
一つの手がかり、というふうに考えてみてください。

   

 さて、今回の写真は、芝桜(相模川左岸堤防に1400M続く)ものです。
今年は、梅、桃、桜と、花のシリーズをとってきましたが、漢字の「梅、桃、桜」は、「くさかんむり」
ではなく、「きへん」ですね。どうしても花の部分に目が行ってしまいますが、木です。

  

 梅…木+毎(子どもを産む母)
   えだじゅうに、どんどん実がなること
 桃…木+兆(骨を焼いて占いをするとき、左右に分かれてできるひび割れ)
   実が二つにわれる
 桜…木+嬰(貝の首飾り→とりまく)
   花が木をとりまくように咲く花
                                        (例解漢字学習辞典第四版)
 
 
   

 芝桜の「芝」は、「くさかんむり」です。かんむりの漢字をいくつか。
 
 芝…くさかんむり+之(足がまっすぐに進むようす)
    どんどんのびる草
 茶…くさかんむり+余(ゆるんで伸びる)
    緊張をほぐす飲み物に使う草
 菊…くさかんむり+(米をまるくつつむようす)
    たくさんの花びらがまるく寄り集まっているようす
                                        (例解漢字学習辞典第四版)
 

 部首を手がかりに、漢和辞典を調べてみると、漢字のもつ意味に興味がもてるかもしれませんね。

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幾重にも

 子どもの頃、海沿いのバス停そばに、「よろずや」とよんでいた小さなお店がありました。当時は、
「よろずや」という名前なのだと思っていたのですが、何でも屋さんということだったのでしょうか。
夏には、浮き輪やアイスクリームを売ってにぎわっていましたが、今でいう「海の家」に近かった
のかもしれません。冬場はひっそりと、でも、雪降る日、バスを待つ人たちが、暖をとりに訪れる、
老夫婦が営む、小さなお店(兼住宅)でした。 

   つつじと

  「よろずや」とか、「よろず相談所」などは、何でも承り所というこでしょうか。「万」という字を
つかいますね。でも、「万」は、数字の一万を正確にあらわしているわけではなく、「たくさん」と
いう意味でしょうね。

   新緑と

  同じように、「よろず(万)」をつかうことばに、「やおよろず(八百万)の神」などがありますが、
「八百」も数の多いことをあらわすようですね。「うそ八百」「八百八町」「八百屋」…

   満月と

 「八」は、「末広がり」で縁起がいい数字といわれていますが、「八」も特に数字の8を意味して
いるわけではなく、たくさんという意味でしょうか。

 ラフカディオ・ハーンの日本名「小泉八雲」は、出雲国(島根県)に住んでいたから。
「八雲」は、出雲国の枕詞で、幾重にも重なり合った雲のこと、とか。
数教研の松江教室を訪ねたときに乗った電車も「やくも」。

 「八重」ということばもありますが、これもとくに数字の8を表しているわけではなさそうですね。
 「八重歯」は、歯が重なって生えているということで、八本重なっているわけではないですし、
 「八重桜」は、花びらがたくさん重なっているということで、八枚重なっているとは限らない?

 東京駅付近にある「八重洲」は? これは、この地に屋敷のあったヤン=ヨーステンの名前が
なまったものだそうで、とくに、重なるとか、いくつも、という意味はなさそう。

   桜の絨毯

 「八重」を辞書で調べてみると、「七重の膝を八重に折り」ということばが載っていました。
折れない膝を7つにも8つにも折るくらい、腰を低くする、丁寧に頭をさげるというような意味で
しょうか。

 これは数の多いことのたとえですが、反対に少ない例。
 「ひとえに」ということばがありますね。「これも、ひとえに、みなさまのおかげ…」などのように。
「一重」で、それ一つ。いちずに、ということでしょうか。

 そうすると、「三重」は? 数教研のお教室もある三重県は、どんな由来なのでしょう。
調べてみると、古事記に「足が三重に曲がるほど疲れた」というような表現があることから、とか。
(他にもいろいろな由来が考えられるようですが)
 
  花筏
 
 さて、「八重」にもどって、つぎは「九重」
 数教研のお教室の中にも、「九重町」教室があります。相撲部屋に「九重部屋」というのも
ありますね。これは、なにが重なっているのでしょう?
 
 「九重」は、宮中をさすことばでもあるそうです。

   

 いにしへの 奈良の都の八重桜 けふここのへに匂いけるかな (伊勢大輔『詞花集』)
 
 この歌の中に、7・8・9が隠れています。

  

 奈良(なら)が「七」、「八重桜」、「ここのえ(九重)」で、7・8・9。
 「むかし奈良の都で咲いていた八重桜が、今日は、宮中で美しく咲いています。」
 
 ソメイヨシノのつぎは、八重桜がみごろでした。

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くみあわせ

 数教研のF教材は、語彙の学習で、くみあわせ単語についても学習します。

  桜+菜の花

 まず、A【名詞+名詞】を学習します。

 ①むし+かご→むしかご
 二つの名詞が単純に合体したもの。

 ②かた+くるま→かたぐるま
 うしろの名詞の、はじめの音がにごります。

  桜+ユキヤナギ

 ③あめ+みず→あまみず
 前の名詞の、うしろの音が変わります。

 これには、[e]→[a]と変わるもの、[i]→[o]と変わるもの、[o]→[a]と変わるものなどが
あります。
  [e]→[a] ふね+そこ→ふなぞこ / さけ+たる→さかだる
  [i]→[o] き+かげ→こかげ / き+すえ→こずえ
  [o]→[a] しろ+ゆき→しらゆき / しろ+つゆ→しらつゆ

  桜+ハナニラ

 つぎに、B【動詞+動詞】を学習します。
 
 なく+さけぶ→さきさけぶ / うまれる+かわる→うまれかわる
 前の動詞が、中止めのかたちをとります。

  桜+ボケ

 ここまでが、0F教材で学習するものですが、1F教材ではさらに、動詞+名詞、名詞+動詞など
についても学習します。

 C【動詞+名詞】
  かぞえる+歌→かぞえ歌 / あやつる+人形→あやつり人形

 D【名詞+動詞】
  色+あせる→色あせる / 心+かける→心がける
  ※ただし、うしろの動詞を中止めのかたちにすると、「色あせ」「心がけ」という名詞にも
   なります。

  花桃

 さらに、あわせ単語には、以下のようなものがあります。
 【形容詞+名詞】【副詞+名詞】【副詞+動詞】【名詞+形容詞】【動詞+形容詞】
 【副詞+形容詞】

  花海棠

 さて、先日から話題にしている『花咲か』ですが、「花咲かじいさん」の「花咲か」は、どんな組み
合わせなのでしょうか。

 名詞+動詞で、[花+咲かす]の組み合わせでしょうか。D【名詞+動詞】の仲間であれば、
  
  花+咲かす→花咲かす

 となりそうですが、「花咲かす」ではなく「花咲か」ですね。
D※で書いたように、「色あせる」の名詞「色あせ」と同じで、「花咲かす」の名詞が「花咲か」という
ことなのでしょうか???

  赤+緑

 「咲かす」で思い出すのが、TBSがある施設「赤坂サカス」。
最初は、赤「坂」と「サカ」スの、「さか」という音のくりかえしが印象に残りましたが、

  紅+桃+緑

 ①たくさんある坂→「坂」S
 ②ローマ字の「akasaka Sacas」を後ろから読むと、saca saka sakaと三つの坂
 ③たくさんある桜を「咲かす」

というような意味が含まれているそうです。

  桜+ユキヤナギ

 ところで、「咲かす」と「咲かせる」の違いは?
他動詞と使役態の違いということでしょうか。
『日本語文法の基礎』(鈴木康之著/三省堂)のP60あたりを読んで考えてみます。


 「花咲かじいさん」と「花咲かすじいさん」と「花咲かせるじいさん」…

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